shining☆moon‐私の王子様‐
~~ユリア.said~~
ここは何処だろう。
一面が草原で何もない空間。
これ以上ない、泣けてくるぐらい真っ青な眩しい空。
私はただ眩しい空に目を眩ませながら風を感じていた。
そこに私の前を小さな女の子と男の子が通った。
栗色の髪の女の子と、赤色の髪の男の子。
そう。
私とフレン。
『ねぇ、フレン。フレンは結婚したいって思う?』
『う~ん…。そんなに思ったことない』
小さな私は頬っぺたを膨らませ、その場にしゃがんだ。
『…フレンのばか』
『な、なんでだよ!?』
『全然わかってない』
『は?』
何故か喧嘩する二人。
『…私はフレンと結婚したい』
『……』
『私はっ…フレンしか考えられないんだから…』
私…そんなこと言ってたんだ。
フレンが大好きなんだ。
好きなんだ……。
フレンはユリアの唇にそっと自分の唇を重ねた。
重なりあう顔。
思考が停止する。
『…俺は、ユリア以外の女の子と結婚したいなんて一度も思ったことないよ』
ポロッ…―
頬になにか生暖かいものが通った気がした。
どうして…。
どうして私は泣いてるの?
私の目の前には小さな私とフレンはいなくなり、ただ私は草原に取り残された。
どうして涙が止まらないの?
なんでこんなに心が温かいの?
どうしてこんなにフレンを想ってしまうの…?
パッとフレンの笑った顔が思い浮かぶ。
幸せそうで、曇りもない。
そんなフレンが大好き。
だから……―
今すぐフレンに会いたい。
名前を呼びたい。
フレンが好きだから。
『好き』
たった二文字の言葉だけど私にとっては大事な言葉。
大切人を想う、唯一な言葉。
好き。
好き。
フレンが好き……。