shining☆moon‐私の王子様‐
~~フレン.said~~
レオと追いかけっこして帰ってきた。
部屋に入ってもまだユリアが帰って居なかった。
レオを部屋に入れ、ソファーに座り話の続きをした。
「で、誰な訳?」
「誰でもいいじゃん」
「あ~、そんなこと言っていいんだ……っ!」
フレンはレオにこしょこしょをし、とことんいじめた。
「わぁかった!!言うから!ってか言わせてください!!」
まぁそこまで言うなら聞いてやらんこともないか。
「で、誰なんだ」
「………」
レオは黙った。
部屋には沈黙が続いた。
そこには真っ直ぐな目をしたレオと、疑いのない目をしたフレンがじっと身をびくともさせないで座っている。
もし、もしもレオがユリアの事をが好きじゃなかったら、どんなにいいだろう。
レオがユリアの事を好きならば俺は力になれない。
むしろ、怖い。
なんで怖いんだ?
ユリアのこと好きじゃないのに、そう、思いたいのに。
でも、でも……
俺の中にはユリアしか見えない。
女の子といったらユリア。
ケーキといったらユリア。
アホといったらユリア。
可愛いといったらユリア。
結婚したいといったらユリア。
だから……。
好きといったらユリアなんだ。
いつまでも一緒に居られるならいたい。
ううん。
絶対一緒に居てやる。
俺がこの手でユリアと居る環境をつくってみせる。
大好きだから。
もう離したくないから。
自分のものにしたい。
誰にも渡したくない。
俺は負けない。
たとえ、レオでも。
レオの口が開き真実を告げた。
「僕は、ユリアが好きだよ」
「…知ってる…つーの……」
『好き』
こんな単純な二文字の言葉。
人はこの二文字の言葉に逃げられる時もある。
だから、人はこの二文字の言葉に大切な想いを込める事ができる。
レオがユリアを想う『好き』は本気だとしても俺は負けない。
勝ってみせる。
ユリアを想う俺のこの気持ちを見方にして。