shining☆moon‐私の王子様‐
ダダダダダッ
廊下から誰かの荒い走る音が聞こえた。
その音は次第に大きくなりフレン達の部屋の前で止まった。
「…なんだ?」
「見てみようよ」
レオとフレンはドアの方に向かった。
そしたら勢いよくドアが開き、そこにはルイスがいた。
ユリアをおぶって。
「…どうしたんだ……」
「ユリアが…はぁ、倒れた…んだ」
「…ユリア」
レオがルイスからユリアを受け取りベッドに運んだ。
俺は運んでいるレオの背中をただ見ていた…。
寝かせて、ユリアの顔の髪を手で避ける。
肌は温かいし意識はある。
ただ眠って居るように目を閉じている。
フレンはルイスに今まであったことを話してもらった。
ルイスがユリアの場所に行ったら何故か倒れてたの事。
どうしてかは後でユリアに聞いてみよう。
「ユリア…、起きないね」
ルイスが心配そうに呟く。
目にはうっすらと涙が浮かぶ。
フレンはルイスの頭に手を置く。
「ありがとう。ルイス。もう部屋に戻っていいよ」
外は暗く、時計は《7:53》を表している。
ルイスはレオに声をかけた。
「レオ…、今日は戻ろう。ね?」
「…うん」
ルイスとレオはとぼとぼ部屋を出てって行った。
この部屋に居るのはフレンと眠りについているユリア。
「…ユリア……」
ユリアのいるベッドに膝を乗っけた。
ギシギシと音を立て、ユリアに近寄る。
今どんな夢を見てる?
楽しい夢?
悲しい夢?
それとも…。
幸せな夢…?
今すぐ目を覚ましてよ…。
俺は今何をすればいいの?
俺から離れないでよ。
勝手に朝一人で起きるなよ。
俺を起こしてくれたっていいじゃないか。
一人になるんじゃねぇよ…。
「ユリア…ユリア…ユリア……」
フレンは寝ているユリアを抱きしめ『ユリア』と呼び続けた。
・・
もう、何処にも行かないでくれ。
俺を一人にしないでくれ…。
ユリア……。