shining☆moon‐私の王子様‐
~~ユリア.said~~
私は今何処に居るの?
何処かに浮いてる感じがする。
周りを見たら青い風景。
奥の方は色が濃くなり見えない。
下を見ても同じ。
上を見たら青い波がゆらゆらしている。
光が差し込みキラキラ輝く。
海。
私は今海の中にいる。
沈んでいる。
どうしてここに……?
私、死んじゃったの?
やだ。
死にたくないよ。
『ユリア…ユリア…ユリア……』
誰…?
私を呼んでいるのは……。
温かい…。
突然周りが暗くなり、正面だけが明るくなった。
場所は前に私がフレンと初めて会ったときのロゼッチュール城。
そこにはまた私とフレンがいる。
これもまた、私の記憶のカケラ。
フレンは兵士に捕まっていて、私は女王様に抱き抱えられている。
『っくそ…離せっ!!ユ…ユリアッ……!!行くなぁっ!!』
私は意識を失ってるの?
無反応で女王様に抱き抱えられたまま。
女王様の前には、大きな噴水があり、その噴水は何故か水が綺麗に舞い上がり、天井について、そして黄金に光り、水には金ぱくが混じっている。
どうしてフレンは泣いてるの?
ただ女王様に抱き抱えられてるだけじゃない。
『フレン、貴方の気持ちもわかるわ。でも今、ユリアは狙われているの』
狙われてる?
こんな幼い私が?
『だからね、フレン。ユリアを人間界に送ってそこで安全に暮らして欲しいの』
人間界に送る?
私はここの人だったんだ…。
女王様は抱き抱えた私を噴水の中へと入れた。
噴水はみるみる光り輝き、周りを真っ白にした。
『いやっだ……。ユリアーーーー!!!!』
そしてまた周りは海へと変わった。
「うっ…うぅ……。フレン…」
私にはこんな過去があったなんて……。
フレンにもこんなことがあったのか…。
ユリアは幼いフレンの泣きじゃくる表情を思いだし、胸が苦しくなった。
また、周りは暗くなり正面が明るくなった。