shining☆moon‐私の王子様‐
スクリーンに映し出されるような私の過去の話。
今度は幼いフレンではなく、今現在のフレンの姿と女王様がいる。
『フレン。すっかり大人になったわね』
『いえいえ。中身は子供です』
フレンは照れて頭をかく。
女王はうふふ、と笑い表情を戻した。
『フレン、貴方に伝えたいことがあります』
『なんでしょう』
『…貴方はユリアの夢の中に入りユリアの状態を見てきて欲しいの』
『夢の中に…ですか』
夢の中?
あ…。
あの時のか。
何度も、何度も見たあの夢。
あれはフレン自身だったんだ。
『フレン、貴方はユリアのこと…』
私のこと…?
フレンは微笑み、女王を見た。
『愛していますよ。
心から。
いつまでも、変わらず。
この想いは変わらないでしょう。
命ある限りは』
フレン……。
また、一気に暗闇の中に私は一人になった。
会いたいよ…。
フレン…。
今すぐ貴方に……。
奥から光がぶわっと来て、私は光に飲み込まれた。
目が覚めたらそこは天井。
私とフレンの部屋。
手には温かいものを感じた。
フレンの手だ。
フレンは私の隣で寝ていた。
でも、なんで……。
どうして…。
涙を流しているの……?
私はまた幼かった頃のフレンの泣きじゃくる表情を思い出した。
ユリアはフレンの頭にそっと手を置きなでた。
「…ごめんね?…悲しい思い…させちゃって……」
目からはどんどん涙が溢れて止まらない。
大好きな人と別れるのはもちろん辛い。
でも、遠くでも大好きな人を愛せる、それが本当の愛なんだ。
想いは通じ合ってなくても、心は一つなんだね。
フレン。
私は貴方を愛しています。
心から。
「…大好き……、フレン…」
ユリアはフレンの額に唇をのせた。
フレンのおでこは温かくて、唇を通して伝わる体温は特別に感じた。