shining☆moon‐私の王子様‐
影の島
~~フレン.said~~
目が覚めたらもう朝になっていて、背中にはケープがかかっていた。
誰が……?
ってか寒い…。
フレンはあくびをしてベッドを見た。
「ユリア…?」
そこにはユリアの姿がなかった。
フレンはすぐに着替えてエルランドのロビーまでもうスピードで走っていった。
ロビーに行ったけどそこにはユリアの姿は見当たらなかった。
いつもフレン達が座っているイスとテーブルにはルイスとレオの姿しかなかった。
「レオ、ユリアは…?」
「さっき元気にマスターの所に行ったよ」
「わぁかった!ありがとな…」
リダアースの館に?
リダアースもよく入れたもんだ。
ユリアもよく入れるな。
あんな館に…。
リダアースの館とは簡単に言うと“モンスターキャッスル”と言えるだろう。
名前もその名の通り“モンスターキャッスル”という。
一部ではそう呼ばれている。
フレンはモンスターキャッスルに向かいユリアを探した。
「やっぱり、不気味だな…。いつ見ても」
背筋がゾッと寒くなる。
それもそのはず、いまは11月の中旬で回りの景色も木ばかり。
朝なのに薄暗い。
その中にポツンと大きな館、城(キャッスル)がある。
ユリアはこの中に居るんだよな。
ごくりと息を飲む。
ユリアが大丈夫なら俺も大丈夫だよな。
きっと。
怖くなんかない。
フレンは勇気を振り絞って館に入っていった。