‐雨のち恋‐


また不思議な夢をみた。



彼、雨音が雨の中で傘をささずに突っ立っている。


彼は悲しげな表情だ。


(ゴロゴロ!!!)


雷が鳴った。


私は雷がなった方向をむいた。


激しく光っていた。


彼に目を戻そうとしたが、もう彼はいなかった。




そこで夢が終わった。


まただ………。


何故彼はあんなに悲しい顔をするんだろう……。



今日は仕事は休み。また雨だが、散歩にでかけた。



あの時のベンチに彼はいた。


「こんにちは!!!」


「こんにちは、雫さん。いつも元気ですね!元気な雫さん好きですよ。」


ニコッと笑って彼は言った。


私は顔を赤らめてしまった。


彼が言ってる好きはそういう好きじゃないのに……。


心臓の鼓動がはやくなる。





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