‐雨のち恋‐
彼は続けた。
「君が僕のことがだんだん分かってきて、夢まで見たと言ったとき、僕はもうすぐ君に正体がばれてしまうことが分かった。」
彼が言っていることが分からなかった。でも彼には熱い気持ちがあるのは分かった。
「僕は君に正体がばれたとしても、ずっと守るよ……………。」
彼の眼から一筋の涙がこぼれた。雨のせいで分かりにくかったが、彼が泣いていることが分かった。
私は口を開いた。
「私は今貴方が言った言葉がよく分からない。でも貴方が持っている気持ちを少し感じることが出来たと思うよ。貴方が言った言葉が分かる日がいつかくると言うことも分かった。………ありがとう雨音………。」
私は優しくぎゅっと彼に抱き返した。
彼は私のでこにキスをした。
「ありがとう、雫………。」