‐雨のち恋‐
あの人
次の日の朝。
また今日も雨が降っていた。
しかし、雫は散歩に出かけた。
お気に入りの傘はないから、普通の傘で出かけた。
公園やおしゃれなお店がたくさんあった。
すると、屋根があるところのベンチに人が座っていた。
あの人だ…。
手には私が貸した傘があった。
私は彼に声をかけた。
「また会えましたね。」
「そうですね。」
相変わらず言葉に感情がない。
「今日は何故ここに?」
「貴方を探していたんですよ。この傘返そうと思って。」
「そうなんですか。なら会えてよかったです。」
私は彼の隣に座った。
「貴方はなんていう名前なんですか?」
「僕は雨音。」
「変わった名前ですね。」