‐雨のち恋‐
「貴方は?」
「私は雫です。」
「いい名前ですね。」
「そうですか?ありがとうございます。」
たわいもない会話が続いた。
すると彼は不思議な質問をした。
「貴方は雨が好きですか?」
「え?……そうですね、私は好きですよ。」
彼は笑顔で話した。
「よかった。雨好きな人少ないんでよかったです。」
「雨音さんも好きなんですか??」
「はい。雨って恵みを降らして、優しさで包み込むんですよ。」
彼からそういう言葉が出るなんて意外だった。
私からも質問してみた。
「雨音さんはいつからここに住んでるんですか??」
「最近かな?」
「そうなんですか!私もなんですよ。」
「一人暮らしなんですか??」
「はい。父は昔に死にました。母は実家にいます。私は仕事でここに来たんですよ。」
何故だろう……。
その青い目で見つめられると、心が騒ぐ。
私のことをついしゃべってしまった。
あんまり人に話さないのにな…。