ソラ
近くのファーストフード店で携帯を弄りながら時間を潰し、6時半に店を出た。
守口翔平がバイトにているCDショップへは、15分程度で着いた。
最新のCDをチェックしながら時間を潰していると、後ろから「あの……」という、聞き覚えのある声が聞こえた。
振り返ると、そこには私服姿の守口翔平の姿……。
「あ、俺終わったから!近くのファミレス行こ?俺、夕飯食ってくけどイイ?」
「あ、はい……。アタシも……食べてこっかな」
「じゃ、行こっ」
ファミレスに着くとアタシはパスタを、守口翔平はオムライスを注文した。
「あのっ、ホントすいません。アタシ、今日の出来事なんですけど、彼氏出来て……」
「あ、イイよ。好きじゃないヤツに好きって言われてもなぁ。ゴメンな」
「いえ……」
そして数秒の沈黙の後、守口翔平は口を開き、あのことについて話し始めた。
「そーえば沢田とか言うヤツに脅されただろ?」
「あ、はい……」
「怖くなかった?ゴメンな。無理に……」
「やっ、んまぁ……ちょっと怖かったカナ」
「ゴメンな。マジ、ゴメン!!話しってこのことだったんだ!」
「あ、そーですか。スイマセン、わざわざ。アタシも悪いとこあったし、言われたこと正しかったし……。アタシも無視してすいませんでした。」
そう言うと守口翔平は笑った。
「な~に言ってんの?固いし!あ、なんか重い空気になっちゃったね。春野さんは部活やってないの?」
守口翔平はそう話しの話題を代え、場を盛り上げてくれた。
その優しさにホッとした。
――午後8時をまわったとき、アタシ達は別れた。