ソラ
「大丈夫ですか?」

「へっ!?」

最初、誰に声をかけられたのか分からなかった。

だけど、クスクス笑う声が聞こえたから、隣の男子高校生なんだろうなぁと分かった。

「あー…大丈夫です!!スイマセン。うるさいですよね」

アタシは必死で荒い息を押し殺した。

そのせいで、逆に変なンハァンハァと言う息になってしまった。

「いいよ、無理しないで」

その男子は笑いながらそう言った。

「は、はー……」

アタシは苦笑いしながらお辞儀をした。

「……」

気まずい雰囲気を、その男子は破った。

「互譲学園女子高等学校の人だよね?」

アタシの通っている、長い学校名を口にした。

「え?あ、うん。そーだよ」

「俺、牧原高校の守口だから!宜しく」

「え?えっ!?」

自体が飲み込めないまま、アタシの目的のバス停に着いた。

「あ、失礼します……」

アタシは駆け降りるようにして、バスを降りた。

そこから、徒歩10分で学校に向かう。

今日は朝から変なことが起こったなぁ、なんて考えてボケーッとしていると、後ろからバーンと思いっきり肩を叩かれた。

「おはよ♪美喜~」

「あ、美弥~♪♪おはぁー」

美弥はアタシの友達。

ってゆーか親友かな。

これまで何でも言い合った仲。

中学は違ったんだけど、ケンカも2,3回ぐらいしてる。

だけど、結局は2人とも「ごめんなさい」を言わないまま仲良くなっている。

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