恋人 × 交換!? 【完】
うなずくと、奏は親指で私の涙を拭いながら、
「泣くとこあったか?」
といって、抱きしめてくれた。
「どこに行きたい?」
「……えっと……どこでも、いい」
「その答えがいちばん困るって知ってるか?」
「あっ……、ご、ごめん。じゃあ、その、あの……」
「優柔不断な口」
「ぅん……っ」
彼がしてくれた三度目のファーストキスで、やっと味がわかった。
こないだの間接キスよりもうんと甘くて、優しくて、愛しい味だった――。
。● TO BE CONTINUED.