恋人 × 交換!? 【完】
(って、安心してる場合じゃないっ……!)
混乱した自分を混乱した自分が否定するという、変なやりとりをしていると、突然、カチャッと部屋のドアが開いた。
とっさに、かけられていた白いタオルケットをたぐり寄せて身構える。
「起きたか」
入ってきたのは、なんと奏だった。
「あ……え……っ?」
「ここ、オレん家」
私の疑問を察したのか、彼は事もなげにいった。
「な、なんで……?」
「なんでって。オマエがタクシー待ってるときに、のんきに寝るからだろ。住所知らねぇのに」
(じゃあ、ここ、奏の家なんだ……)
納得して、部屋をあらためて見回していた私は、大事なことを思い出した。
「あ、か、奏!」
「ん?」