恋人 × 交換!? 【完】
「変なことって?」
「え、え、エッチ……とか」
淫らな単語を口にした私は、すかさずタオルケットで顔を隠した。
今なら、本気出せば顔でお湯を沸かせるかもしれない。
判決を待つ被告のような心境でいると、奏は「アホ」と軽く笑った。
「なんでそうなるんだよ。『咳が』激しく乱れてたってこと。汗もかいてたから、着替えさせただけだ」
「咳……」
最悪の勘違いをしてしまった私は、タオルケットをかぶって、アルマジロみたいに丸まった。
今なら、本気出せば口から火を吹けるかもしれない。
「おかしな妄想する元気があるなら、そのうち治るな」
奏の声に反応できないくらい、私はものすごく恥ずかしかった。
第一、例え行為はしていなくても、着替えさせたってことは、裸を見られたってことになるわけで。
今まで、誰にも見せたことないのに――。