恋人 × 交換!? 【完】
「こんばんは」
紹介された浴衣男子――拓人さんが声をかけてきた。
背は奏より少しだけ低い程度で、男子としては高めで、バレーとかが似合いそうな爽やかな雰囲気。
私を見つめる目はブラウンがかっていて大きく、まつげがくるんと上向いてる。
吸いこまれそう。
「どうも。1週間、彼氏、借りるね」
もうひとりの浴衣女子――古都さんが、挑発的に髪を手でときながらいった。
落ち着いた雰囲気でいて、私と真逆に色気がある。
なんというか、「余裕」があるというか、対極にいる人。
観察しつつもパニック状態の私は、ふたりに会釈もできず、頭を整理することに集中した。
……でも、当然、ムリ。