恋人 × 交換!? 【完】
気になって、追うように壁伝いに歩いてドアを開けると、そこは廊下だった。
さらに歩いてリビングに出ると、左側のオープンキッチンに奏が立っていた。
「寝てろって」
コンロに目を落としたまま、彼は小さな土鍋と小鍋をかき混ぜていた。
まっ白な壁に寄りかかって、熱っぽい身体を支える。
おみそ汁のいい香りをかぎながら、私はしばらく調理する姿を眺めた。
(カッコイイ……こんなこともできるんだ、奏って)
彼だからというわけでもないけど、男の人が料理をするのは、すごく様になってる。
それが自分のためというなら、なおさらだ。
「熱、何度あった?」