恋人 × 交換!? 【完】
「あ、えっと。38度5分」
さっきはかった体温計のメモリを思い出して伝えた。
「少し下がったな。どうせ起きたんなら、そこ座れ」
奏は、キッチンそばのテーブルを指さした。
「あ、うん……」
指示通り腰をかけると、さっと鍋敷きがふたつ置かれて、ひとり用の土鍋と、小鍋が乗った。
お碗、小さな深めのお皿、レンゲと次々に並べて、整ったところで彼が横に座る。
「ざっと作っただけだから、期待すんなよ」
土鍋を開けると、むわっと湯気が広がって、卵とネギの入ったおかゆが現れた。
「わあ……っ!」
「だから期待したような目すんなって」