恋人 × 交換!? 【完】
「じゃあな。もう行くわ」
(奏……)
声に出せない、というか、声が引きこもって出てきてくれない。
「えっ?奏くん、ちょっと待ってよー。せっかく浴衣着たのに。お祭りは?」
浴衣女子の古都さんが、鳥居をくぐって神社を出ていく背中を追いかける。
何よ、これ――。
どういうこと――。
(奏……奏……奏……っ!)
名前を、何度も心の中で叫ぶ。
ただ、予感はあった。
夢見た「あの言葉」をもらえていない時点で。
いや、それよりも……。
あんな出会いをしてしまったときから。
こんなふうに、捨てられちゃうかもって――。
。● TO BE CONTINUED.