恋人 × 交換!? 【完】
信じられない気持ちと、信じずにはいられない状況とが、心の中で混ざる。
――白と黒。
どんなに混ざり合っても、成る色は、どっちつかずのグレーなんだけど。
(やっぱ、聞き出すのがいちばんってことかな……この人から)
不幸中の幸いで、異性と話すことに関して、奏との付き合いでだいぶ改善されてきた気がするし。
不可能なことじゃないと思う。
「ねえ、円ちゃん」
ひとり今後の作戦を練っていると、おっとりした声で拓人さんが出店を指さした。
「突然こんなシャッフルされて、混乱してるだろうけど。話しながらでいいから、回らない?お祭り」
気分じゃない――と断りたかったけど、私は「はい」とうなずいた。