恋人 × 交換!? 【完】
「そうだよ。すごく可愛いなって」
嘘だ――。
(……これは絶対ない……。ひと目ぼれされるなんて、奏に告られたときよりも、ありえない)
心で否定しようとする私に、拓人さんは続ける。
「本当だよ。で、制服が奏の通ってる高校とおんなじものだったから」
「…………」
「あいつなら情報持ってるんじゃないかと思って聞いたら、まさかの恋人だったってわけだよ」
「だけど、そんなことって――」
「あるんだね。狭いエリアだから確率高いとはいえ、ご都合主義みたいな展開」
「で、でも……拓人さんには古都さんが……」
いやいや、と彼は首を振った。
「古都との間には、もう、好きとかって気持ちはないんだ」