恋人 × 交換!? 【完】
(奏……そうならそうって……。事前にいってくれればいいのに……)
いつだってそうだ。
奏は、「?」マークの謎ばかりを私に残して、私の歩幅を考慮せず、勝手に先を行く。
それがダメとはいわないけど、こういうときくらいは、私にも教えてほしかった。
別れのリミットなんて、最悪のシナリオまで考えていたのに。
「お話はわかりました……でも私――」
「好きにさせてみせるよ。ぼくのことを」
おだやかだった「王子様」が、一瞬、凛々しい「王子」に変わった。
「きっと、ね」
真面目な表情で付け加えて、元に戻った王子様は、いきなり私の顔に近づいてきた。