恋人 × 交換!? 【完】
でも。
実際に触れたのは、拓人さんの手でも唇でもなくて。
「ついてるよ、ソース」
えくぼ付きの笑顔で、拓人さんは私の口の横についていたらしいソースを、ティッシュで拭き取ってくれただけだった。
「あ……その……ええと……」
自分でも死ぬほど恥ずかしい勘違いに、顔が一気に火照りだす。
(うわああ~っ……私ってば最低な間違い……!!)
できることなら、直ちにどこかへ身を隠したかったけれど、あいにく奏の家のときみたいな緊急用のタオルケットはない。
「ん?円ちゃん、どうかし――」
「マドカぁ~」