恋人 × 交換!? 【完】
なんて、お得意のネガティブを駆使して頭のメモ帳にコンプレックスを箇条書きしながら、ストレス発散にスクールバッグを振りかぶったときだった。
――ボフッ!
「ってぇ!!」
背後で、バッグが「何か」に当たった感触がして、ほぼ同時に男の人の声がした。
あわててふり返ると、見慣れた夏用の淡いブルーのシャツ姿があった。
ぶつけた相手は、どうやら同じ高校の男子らしい。
「……ったたた……」
ものすごく痛そうにわき腹をおさえて、悶絶している。
当たり前だ。
私のバッグの中身には主に、帰宅部らしく教科書とノート、それにゴツゴツとした洒落っ気の欠片もなく固い、ペンケースが入っているんだから。