恋人 × 交換!? 【完】
紅茶に口をつけながら、私は奏のことを思い浮かべていた。
(4日も経つんだ……)
奏とは、あの日以来、一切連絡をとってない。
出会ってから、これほど離れ離れになったことはないのに。
(もう、戻ってこないのかも……)
こないだのボウリングでも、不安との勝負は「ガター」に終わったし――。
そんなふうに、変なホームシックを患っていたからか、急に角を曲がってきた自転車に気づかなかった。
「あぶないっ!!」
拓人さんの叫び声がした。
次いで、私の身体が傾いだと思いきや、強い力で「何か」に引っぱられた。
――キキーッ!
「…………!!」
私が声にならない声を出すのと同時に、ブレーキ音がした。
ほどなく、「す、すみません!」という男の人の声が。