恋人 × 交換!? 【完】
拾うと、それは拓人さんの携帯電話だった。
助けに入って激しく動いた反動で、ポケットから飛び出したのだろう。
開いた状態のままだった。
すぐに閉じようとしたけど、うっかりボタンに手がかかり、暗かった液晶がついてしまって。
次の瞬間。
映った待ち受けの画面に、私は呼吸が止まりそうになった。
(古都……さん!?)
目に飛びこんできたのは、とびっきりの笑顔とピースサインを携えた、古都さんの壁紙だったのだ。
(なんで……?あのとき、もう好きとかって気持ちはないって……)
戻ってきた拓人さんに閉じた携帯電話を返しながら、私は目の前にいる彼の真意が、まるでわからなくなっていた――。
。● TO BE CONTINUED.