恋人 × 交換!? 【完】
「結果的に――」
拓人さんが、おもむろにつぶやいた。
「だましてたことになったのは悪かった。この通り」
おそらく頭を下げてるんだろうけど、私は見れなかった。
見たくもなかった。
(誰が王子様よ……!どこが完璧よ……!ひどいだけの最低なやつじゃん……)
心で悪態をつきながら、持ってきたバッグをひっつかむ。
「だけど……円ちゃん。これだけはわかってほしいんだ」
拓人さんの声に耳を貸さず、私は涙を袖で拭いて立ちあがった。