恋人 × 交換!? 【完】
(いってくるね)
あのあと、私は自分で「もう一度会う」と決断した。
その直後に、心配や迷惑をかけっぱなしの彼女にだけは、すべてをさらけ出して正直に伝えていた。
決断するきっかけになった、言葉をくれた人だから。
(ありがとう、ミッチ)
――ピピッ。
マナーモードに設定して、目を閉じる。
(すぅーっ……、はぁーっ……)
生温い空気を、けれど胸いっぱいに吸いこんで、わずかに震える唇でゆっくりはく。
そして、
(よしっ!!)
携帯電話を「パンッ」と閉じた音を合図に、私は目を開けて歩き出した。