恋人 × 交換!? 【完】
鳥居をくぐると、奥の拝殿前の階段に誰かが座っていた。
白いシャツに黒のジーンズ。
モノクロな服の色とメガネから、すぐに奏だとわかった。
うつむいてて、まだ私に気づいていないらしい。
(行かなきゃ、ちゃんと決めたんだから)
胸に手を当て、油断すると脱走しかねない心臓をなだめながら、参道を進む。
やがて、足音と気配に顔をあげた奏と、目が合った。
その表情は、やや安心してるように見えた。
(…………)
私は視線を避けながら、彼のそばまできた。
そして、立ちあがった彼が「円……」と口を開いた瞬間。