恋人 × 交換!? 【完】
「あの言葉があったから、オレはオマエと恋人を続行してみようと思った。拓人がいってた『本物の恋人』ってのがいるなら……もしかするとオマエがそうかもってな」
「そう、だったんだ……」
絡まっていた糸が、するするっとほどけていく心地よさを感じた。
「続行してからも、ときどきオマエはオレの中身をのぞくような発言をしてきた。オレのそばにいれば満足っていうやせた考えもないし。嫉妬のしの字すらなくて、オレを……オレを、アクセにもしなかった」
「す、するわけないよ。アクセサリーになんか……」
「けど、それでもオレはまだ揺れてた。今までが今までだったからな。信じたくても……信じられるわけねぇだろ……こればっかりは……っ」
両手で、ペンダントをつかむ奏。
手の甲にできた筋で、相当に力を入れているのが伝わった。