恋人 × 交換!? 【完】
「だから、あえてこの形にしたんだ。外見だけが目的なら、1週間もあれば拓人に転ぶ。つか、転ぶかどうかと別に、『本当の気持ち』を聞き出せる可能性もあったし。それに――」
「それに……?」
「オレはオレで、オマエと距離を置いて、じっくり考える時間が欲しかった」
「距離……」
「一方的に拓人をおしつけるだけじゃ、オマエはオレと距離をとらなかっただろうし……な」
話をひと通り終えた奏は、メガネをずらし、両手で顔を洗うようにガシガシとこすった。
「だからあの交換だったんだ……」
ひとりで納得していると、彼が静かにたずねた。
「拓人、オマエに告白したんだろ……?」
「告白……うん」