恋人 × 交換!? 【完】
私がうっとりしてると、
「どうも。初めましてだね。噂は聞いてるよ、千住くん」
横にいた勇次さんが、奏に挨拶。
「ども……。どんな噂なのかは、あえて詮索しないっすけど」
「うん。聞かないほうがいいかもね、ははっ」
「意味深すぎっすよ」
こないだ家にきたときとはまた違う、奏の言葉づかいも新鮮。
俺様といっても、こうやって目上に対してきちんと応対できるあたりは、ポイントが高い。
「じゃ~行きますか、Wデート!ねっ、マドカ。今日はふたりの仲直り記念なんだからさ。遊び倒すよ~!」
いつの間にか機嫌が直っていたミッチが、話をまとめて、私の手をとって歩き出す。
「え、あ、うん」
ちらっと奏に視線をやると、彼は勇次さんと顔を見合わせて、やれやれ、というように肩をすくめていた。