恋人 × 交換!? 【完】
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「うわあっ……キレイ……!」
夕方。
最後に乗ろうと決めていた観覧車で、私は歓喜の声をまき散らしていた。
「観覧車じゃなくても、高いビルから見りゃ同じだろ、景色」
「もぉ……身も蓋もないこという……」
ぶうっとむすくれると、隣にいる奏が腕を腰にするっと回してきた。
密着する、私と奏。
ふわっと、奏独特のいい香りも抱きついてくる。
こんなふうにされるのは、久しぶり。
それを身体もわかってるのか、くっついた瞬間に肩が小さくウサギ跳び。
「なぁ円。景色はビルからでも楽しめるけど」
「けど?」
顔だけを後ろに向けたのが油断だった。