恋人 × 交換!? 【完】


。●


「うわあっ……キレイ……!」



夕方。



最後に乗ろうと決めていた観覧車で、私は歓喜の声をまき散らしていた。



「観覧車じゃなくても、高いビルから見りゃ同じだろ、景色」


「もぉ……身も蓋もないこという……」



ぶうっとむすくれると、隣にいる奏が腕を腰にするっと回してきた。



密着する、私と奏。



ふわっと、奏独特のいい香りも抱きついてくる。



こんなふうにされるのは、久しぶり。



それを身体もわかってるのか、くっついた瞬間に肩が小さくウサギ跳び。



「なぁ円。景色はビルからでも楽しめるけど」


「けど?」



顔だけを後ろに向けたのが油断だった。


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