恋人 × 交換!? 【完】


「オレらも負けてらんねぇだろ」



奏の息が、前髪を揺らす。



私が「勝つとか負けるとか」と上を向くと、





「負けず嫌いなんだよオレ」





力強くおおいかぶさってきた。



私の身体は押され、はからずも席に倒れた状態になってしまった。



「これで、のぞかれる心配もなくなった」


「そういう問題じゃ……んっ!」



いい終える前に、首筋に唇が落ちてきた。



くすぐったさとやわらかな感触に、肌がざわついて、あごが自然にのけぞる。




「ん……っ……はぁ……ぅ……んんっ」




首から喉へ、喉から頬へ、頬から口へと、私の上を奏の唇がはい回る。



こうして、ゴンドラが下へおりるまで、熱っぽい声は止まることはなかった――。

< 259 / 270 >

この作品をシェア

pagetop