恋人 × 交換!? 【完】
「ありえない……」
「は?なんだって?」
「あ!いえ、あの、うんと……」
いけない。
動揺しすぎて、うっかり心の声を口の端から落っことしてしまった。
口を手で拭うように当てて、乱れた呼吸を整えようと深呼吸する。
「いっとくけど」
「えっ……」
「オマエに拒否権ナシ。贖罪だからな」
わざとらしく、またわき腹をおさえる千住くん。
聞き慣れない単語に、一瞬「食材」と聞き違えたけれど、おそらくは罪ほろぼしの意味のほう。
「…………」
「わかったな?」
返事を促され、私は関節のサビついたロボットのように、ギギギと首をなんとか動かしてうなずいた。
「は、はい……っ!」
「よし」