恋人 × 交換!? 【完】
満足そうに、千住くんは口の端をつりあげた。
男子に使う表現にしては変かもしれないけど、それはまさに小悪魔的で。
効果音をつけるなら、キランという感じの笑みで、彼は私を抱き寄せた。
「……きゃっ」
身体が密着したかと思えば、私を反転させて、後ろからおおいかぶさるように腕を回してきた。
夏で熱を吸った制服が、温もりのある毛布みたいで。
なくなった距離から香る彼のにおいが、日だまりみたいで。
「よろしくな。円」
耳にあったかい息がかかった瞬間、私は一生分の運を使い果たような気がした――。
。● TO BE CONTINUED.