恋人 × 交換!? 【完】
◆3:デートの誘いに心は炭酸!
。●
どうやって家に帰り着いたのか、ぶっちゃけ欠片も記憶がない。
意識と足が別行動を取っているみたいに、気がついたら家にいて、うがいと手洗いをして、部屋で着替えを済ませて。
その間も、ずうっとおぼろで。
夕食のためにテーブルについている今も、私はひたすらにぼうっとしていた。
「……恋……こい……こく……」
「どうしたの、アンタ」
「鯉?『鯉こく』?円、そんな料理好きだったっけか?」
お母さんとお父さん、ふたりして私に声をかけてきてやっと、我に返った。
「え……っ?こ、鯉?鯉こく?なんの話?」
「鯉のみそ汁のことだよ。つぶやいてただろ今。違うのか?」
すき焼きの白菜をつまみ上げながら、お父さんがいった。