恋人 × 交換!? 【完】
「ち、違うって……そんな料理知らないし」
「じゃあ何をつぶやいてたんだ?こいとか、なあ?母さん」
「さあ~。魚じゃないなら男の子?」
お母さんの気楽な笑顔に「違うし」とはぐらかし、卵につけたお肉をいじりながら、私はまた考えにふけった。
(千住くんに告られたなんて……まだ信じらんない……)
ほっぺたなら何度もつねった。
もちろん、「彼とくっついてないほうのほっぺたを」という重要な注釈つきで。
それでも、気づけばベッドの上、なんて結末にはならなかった。
夢じゃなければ、どこかに隠しカメラがあって、「大成功」なんてボードを持った誰かがドアの向こうに潜んでいるとか?
だけどこれは、夢でもドッキリもなく現実――。