恋人 × 交換!? 【完】
。●
「おはよ、マドカっ」
翌日の朝。
教室で声をかけてきたのは、最近ラブラブなミッチだった。
外は曇り空なのに、彼女は相変わらず雲ひとつない晴天だ。
「お……はあーっ……」
「な、なんなの。その『おはよう』と見せかけてのため息。ん?」
まだ空いてる近くの椅子を持ってきて、ミッチは窓ぎわでいちばん前の席の私の机に、両ひじをつく。
「んーん。別に、なんでもないけど」
「そ?まあ、マドカが勉強で悩むわけないしね。アタシと違って頭いいし」
そういうミッチも、年上の彼氏に勉強を教わってるとかで、まるで悩んでる気配もないけど。
「いいなぁ、ミッチは」
「はー?どうしたのいきなり」
「……ん……」
「ほれほれ。いってみ?」
なんていって、贅沢にも千住くんとくっついたほうの私の頬を突っつく。
友達だから取らないけど、私にとっては1回につき100円は請求していい行為だ。