恋人 × 交換!? 【完】
なんて、先ほど語り損ねた、私の装備のひとつ「妄想」を炸裂させながら、神社の近くまでくると、浴衣の子たちの姿が目立ってきた。
(みんなキレイだなぁ……)
どの子も「☆マーク」が散らばった写メの加工みたいに、キラキラ。
中身も見た目も自信ゼロな私は、とっさに道端に停めてあった車のミラーで髪型を念入りにチェックした。
(よしっ。オッケー、かな)
はっきりいって、なんで彼がこんな地味っ子な私を恋人にしてくれてるかは謎。
だけど、ていうか、だからかな――。
少しでも、釣り合うようにしたかった。
(いるかな、奏)
結った髪をポンポンと手のひらで軽くおさえて、角を曲がる。