恋人 × 交換!? 【完】
「え……あ……何?」
耳には入ってたはずだけど、右から左へ素通りしてたみたい。
なんだっけ、いつだったっけ――?
「おいおい。聞いてなかったのかよ。日曜の11時に駅前の銅像で待ち合わせ」
うっとうしそうに、けれど、再度説明してくれる奏。
私は、今度こそ忘れないようにと何度も復唱した。
「うん……わかった」
「キャンセルとかすんなよ」
彼は、そうきつく念を押してから歩き出した。
(……デート、か……。ていうか……)
そっと、そっと、人差し指をおでこにくっつける。
まだ残ってる感触を、邪魔しない程度に。
(キス……された、んだ……)
時間が経ったことで、じわじわと実感がわいてきた。
わいたとたん。
――プシュッ。
フタの開いた心は、あの炭酸系の待ち受け画面みたいに、シュワシュワと弾けだした――。
。● TO BE CONTINUED.