恋人 × 交換!? 【完】
「……を、をこっと。をこっとこお(わ、わかった。わかったから)」
もごもごとうなずくミッチをじゅうぶんに目で脅してから、手をどける。
「もう……。ビックリした。大声出すんだもん」
まわりからの視線を、ひきつった苦笑いで乗りきる。
なんとかしのぐことができて安心していると、ミッチが「それ」と自分を指さした。
「こっちのセリフだから。マドカがされたんじゃないなら――」
「ド、ド、ドラマよ……!そう、そうそう。ドラマドラマ。そういうシーンがあって」
とっさに、口から出まかせ。
我ながら、あまりにも貧弱すぎる嘘に、さすがに通用しないかなと思ったけど、
「なあんだ」
ミッチは、拍子抜けした感じで、椅子に寄りかかった。