恋人 × 交換!? 【完】
「で?相手は、誰だったの?」
「かな……って、えっと、違くて……誰だっけ、えっと……」
ナチュラルな流れで質問されて、思わず答えかけてしまった。
見てもないドラマのことなんて考えてもいなくて、私は異常にたじろぐ。
で、なんとなくバレた。
「やっぱマドカがされたんだ~!やっと夢だった『恋愛』が成就したんじゃん。ま、誰かは聞かないけどね。言い辛いみたいだし」
浮かれすぎてるとき以外のミッチは、こうして空気が読める。
こんな優しさがあるから、みんなが寄ってくるのかも。
例えは悪いかもしれないけど、「光に近づく虫」みたいな感じで。
明るい場所(彼女)に。
「うん。ごめん……名前はちょっと……」