恋人 × 交換!? 【完】
奏が、淡々とした声でいった。
「気づいてるわけないじゃん!あたしとヨリをもどすためって思ったのに……」
(えっ、えっえっ。ヨリって……!?)
呼んだのは彼で、シズルは元カノってこと――?
「もどすためじゃない」
シズルの興奮気味の口調とは対照的に、彼の声はまだ遠くで響いてるだけの雷鳴みたいに、低くて冷静に聞こえた。
「じゃあなんだっていうのよ!こんなところに呼び出しといて」
「『やめさす』ためだ」
奏の言葉に、ひとつ間が空いた。
「や、やめさせるって何を……」
「別の高校なのに、今もオレをこっそりつけ回してることだ。尾行じゃあるまいし」