恋人 × 交換!? 【完】
とろけるセリフに、冬でもないのに一瞬鳥肌。
奏は、私の両腕をさするようにしながら身をはがして「外で感じるなって」と笑った。
「ち、違うもん……。くすぐったかっただけだし。もぉ」
「つか、耳赤くしてるし」
指摘されてすぐ、私は出していた耳を、垂らしていた髪の毛で隠した。
「……ゆ、夕陽のせいですっ!」
バカ――。
こんなふうに後ろから抱かれてほめられたら、誰だって耳も熱くなるに決まってる。
相手が彼氏なんだから、なおのこと。
それを見透かしてからかってるところが、いつもちょっとだけ悔しかった。