恋人 × 交換!? 【完】
「オレは今『こいつ』と付き合ってる」
予想通りの発言があって、下を向いたままの私の肩に、奏の手が乗っかった。
(…………)
「放課後に毎日オレをつけてたから、とっくに知ってんだろうけどな」
「そ、そんな……。ホントなの?ふたりとも本気で付き合ってんの?」
うろたえたような、シズルの声がする。
「ああ。なんなら証拠見せようか?」
肩に乗せた手に、やや力が入った。
痛い。
引っぱられて、私は奏の胸にすっぽりおさまった。
だけど。
あれ。
なんでだろう。
嬉しく、ない。