ひとりぼっちの勇者たち
流星といじめられっこ
◆ ◇ ◆
――痛い…頭がズキズキする。
心臓にあわせて血が暴れているみたい。
なんだっけ…何が起こったんだっけ…?
思い出そうとしても頭が上手く働かない。
ただ痛みがゆっくりと全身に広がってゆくだけ。
『――月子は、お姉ちゃんなんだから…』
懐かしい…お父さんの、声だ。
なんでまたこんな時にこんなこと、思い出したりしているんだろう。
『――弟達のこと、頼んだぞ』
うん、わかってる。
あたし、お姉ちゃんだもん。
お父さん、ねぇ、でもあたし――…
「…! だい、じょうぶ、ですか…?!」
大丈夫じゃ、ないよ――