ひとりぼっちの勇者たち
「……ッ…、いった…」
「…っ、よかった、死んじゃったかと、おもった…!」
痛む頭を押さえながらのそりと体を起こす。
重い。痛い。寒い。
あたし、どうしたんだっけ…?
手の平に冷たい感触を感じながら、うっすら目を開ける。
暗いのに、明るい。
ぼんやりと薄暗い視界に映るものを確認すると、すぐ脇には冷たい感触の窓。
明るいと思っていたのは、大きな窓から差し込む月明かり。
目の前には下りと上りの階段があり、ここが踊り場なのだと理解した。
階段…そうか、学校だ。
不気味に浮かび上がる校舎内の輪郭に、ここがどこなのかようやく思い出す。
自分がどうしてここにいるのかも。
呼び出されてたんだっけ…
目の前には屋上へと続く階段があって、その先には彼らの遊び場がある。
ついさっきまで自分も、そこに居たのだ。