先生とあたしの子育て〜愛する家族〜


【佳菜】


「ママ」

「どうしたの?姫恋」

「ママ、だっこ~」

「いいよ。おいで」

私は読んでいた本を自分の横に置き、姫恋を膝に座らせた。

私の脚は後遺症で「もう自分の脚で歩けない」と言われた。

でも、リハビリはしている。

「リハビリをすればある程度は、脚を動かせる」と医師に言われた。

リハビリは想像以上に痛くて…泣いた事もある。

「ママ…だいじょうぶ?」

「うん…大丈夫。ありがとう、姫恋」

そう言って、姫恋と2人で笑い合った。




---コンコン。



「はい」

「あ、パパ…みわねーちゃん」

病室に入って来たのは、理人と美羽だった。

「うわぁ~姫恋。もう私の名前覚えてくれたの?」

「うん♪」

「最近…言葉を覚えるのが早くなったもんなぁ~」

「そうそう」

と、今度は4人で笑い合った。

「ババ、ジュース…のみたい」

「じゃあ、買って来るか…」

「あっ、理兄。私も!」

「理人、私も!」

と、美羽と私は手を挙げた。

「お前らもかよ…」

「ひめこもジュース…かいにいく~」

理人は姫恋を連れて、病室を出た。






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