メガネの向こう側。
「菜花さん?」
「答えたくなかったら良いんだけど……メールや電話無視したの?」
「無視してないです。
でも……。」
「でも?」
「昨日の夜のめちゃくちゃ眠くて……携帯の充電しなきゃと思ってたんですけど。
さっき見たら充電されてなかったんで、充電してなかったのかも。」
「もしかして、電池切れを無視と勘違い……とか?」
「分からないです……。
でも、それ以外は身に覚えなくて……。」
「そうか……。」
アタシと担任は、それ以上、言葉が出てこなくて。
少しの間、沈黙してしまった。